NOMADLAND

私がこの映画を見に行った時は
まだアカデミー賞のノミネートに選ばれたばかりの時で、
上映初日になるべく空いてるシネコンを
選んで府中のシネコンで観て来ました。

ちょうどその時私のアトリエの
外装補修工事が真っ只中で
真上のベランダや壁からのドリルの音、
塗料を剥がす鼻にくる匂いで、
部屋の中には居られず、
近くの公園や、図書館で時間を潰したり、
蔓延防止期間の東京で 出かける所もなく
沈んだ気持ちの時、
まるで今の私みたいに
落ち着く居場所のないシルバーの女性の映画だと
気になっていました。
その時はまだ アカデミー賞にノミネートされただけで
アジア系の監督の作った、地味なこの映画が
グランプリを取るとは思ってもなかったけど
見終わった後もずっと心に残る
すばらしい映画でした。
ご主人の死、働いてた会社と、住み慣れた街の崩壊。
そして自宅を全てを清算して
中古のキャピングカーを手に入れ
「ノマドランド」 流浪の民と呼ばれる
移動生活を始める60代後半の女性を
フランシス・マクドーマンドが、
壮大なアメリカの西部をタフに生きる
キリリとした一本筋が通った強さを演じ、
途中 お金を稼ぐ為に、
Amazonの配送センターでの季節アルバイトしたり
自然公園の掃除をしたりしながら
キャンプ場で知り合う人以外は
殆ど孤独との戦い。
荒々しい過酷な自然の中で
この先いつまで移動生活ができるかも判らない。
そんな彼女の貫く芯の強さは
私の持ってない物だけに
余計に心を揺さぶられ、深く感動しました。
今は、前回の緊急事態宣言より
もっと厳しい措置で感染者を減らす為
デパートも図書館も公園も閉まり、
誰とも会えないし、ランチもおしゃべりも出来ない。
それを寂しいと思ってる私にこの映画は
ガツーンと一石もニ石も小石じゃなく
岩を投げてくれたみたいでした。
緊急事態宣言の今は
東京のシネコンは全て閉館ですが
無事に開館となったら 用心して
安全に気をつけて是非観てみてください。
そして今は、ワクチン接種が一日も早く、
スムーズに出来たらと期待してます。
感染者が増えてきているみたいなので、
皆様がどこに住んでいたとしても、
どうか気を抜かずに過ごしていきましょうね!